2020年のクリスマスイブ
2020年のクリスマスイブ
2020年、それは僕にとってとって大事な年でした
そのクリスマスイブ
僕はこの日くらいは外に出て大きく息を吸って気分転換しよう、と
僕が愛してやまないみなとみらいにあるアニヴェルセルカフェへ
ここは常連と言ってもいいくらい頻繁に行く場所
いつも決まって左端のテラス席を取っておいてもらう
店員とも顔が知れていて仲がいい
みんなとても優しく丁寧で魅力的な人たち
僕は、みなとみらいでクリスマスにいくなら、
ここだろうと即答だった
冬だからこそテラス
輝くイルミや輝く恋人達を見ながら味わうロイヤルミルクティの美味しさと言ったら例えようがない
店内は100%若い人たちのカップルばかり
クリスマスイブとクリスマスはコースを予約してないと完全に店に入れないからだった
そんな笑顔溢れる人たちがガラス張りで見えて僕も笑顔が溢れた
僕はテラスでゆっくりとそんな人たちを後ろにして空を見て色々考えことをし始めた
僕はこの時間が大好きだった、本当に….
その時間は幸せだった…本当に…

しかし
クリスマスイブに幸せな者もいれば
そうではない者もいる
あろうことか
それは想像上の話ではなく
つい僕の隣の席で起こったことだった
「ともくんとバイバイしたら本当に心配、やっていけるのかなって」
「私はいつもともくんを許してきたのにどうしてそんなに私を否定するの、ともくんは出会ったときあんなに素敵だったのにどうして..」
「私が何言ってもともくんは否定するし認めないし、すごく頑固!」
「ともくんは私がいままで見てきた経営者とおんなじ!50とか60の偉そうな態度してた人達とまったく同じ!その若いバージョン!」
「頭いいし何言っても返してくるから口で勝てる気がしないの、だから私はあなたに譲歩してずっと許してきたのに…」
「私すごく嬉しかったから、ともくんが、『俺のために生きてくれ』って言ってくれた日のこと、いまでも、すごく、覚えてるから」
その女性は声を震えさせながらそう言っていました。
店員の対応や言葉遣いやリアクション聞いているととても気が強い女性だということはすぐにわかりました。
しかしそんな女性が、声を震えさせながら悲しんでいるのを見ると、とても僕も悲しくなりました。
まるでドラマを見ているかのような感覚で、信じられませんでした。
2人は出会いからいままでを1時間以上テラス席で話していました。
テラスには僕とそのカップルの2組だけ。
だからこそ大きな声で話したりしていたのだと思います。
クリスマスイブ、こうして2人は、別れることになったのです。
かつては幸せだった、でもあの頃のあなたはどこに
これはよくある別れるパターンです
人は常に変化する生きもの
それは愛情もそう
愛情も多かれ少なかれ変化する
それを受け入れるか、維持するか、それはひとりひとりが考えて決めること
クリスマスイブ、僕はそのまま会計を済ませ
テラスを出て、赤れんがの方に向かいました
気持ちを切り替え、歩くこと5分
赤れんがに到着するとそこには無数のカップルの海でした
僕は幸せでした
色々なカップルがたくさんそこにいる
そしてみんな映画の主人公のように幸せそうな笑顔で手を繋いで歩いている
手を繋いで走っている
手を繋いでスキップをしている
ハグをしている、キスをしている
おんぶをして笑っていたり、頬をつねりあったり
とにかく全てが、映画のワンシーンのようでした
僕はクリスマスミュージックを耳に流しました
本当にMVのようになりました
ひとつひとつがクリスマスのMVに出てくる恋人のよう
僕は1人で感動し胸が熱くなりました
そのまま山下公園に向かって歩き
僕が大好き
大桟橋へ
薄暗い照明
空に浮かぶまぶしい夜景
そしてキラキラ輝くイルミネーション
僕はこうして
幻想的なリアルのクリスマスミュージックの世界を味わったあとその日は新たな恋愛の構想をもとに原稿に筆を走らせ三日月のホテルの一室でクリスマスの朝を迎えました